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川崎裕一<Kawasaki@jnutella.org>
私がGnutella(以下グヌーテラ)に興味を持つきっかけは、Napster(以下ナ
プスタ−)でした。私がナプスタ−に引かれた理由は、MP3ファイルのダウ
ンロードというより、検索のあまりの簡単さでした。ナプスタ−以前は、アン
グラ系サイトをひたすら巡りファイルを見つけるか、リアルプレイヤーのよう
なストリーミングで視聴版を聞くという二つの方法しかありませんでした。こ
の問題点は、前者ではファイルを見つけ出しても、それが変な形式で圧縮され
ていて、特殊な手順を踏まないと聞けず、聞ける形にするまでにすごく時間が
かかる、後者では自分が聞きたくもない曲を企業のプロモーションの言いなり
で聞いていました。ナプスタ−は個人に主導権を渡したのです。
ですが、MP3ファイルだけしか共有できないことと、ナプスタ−が1企業で
ある点で私は少し不満を持っていました。つまりクローズドなソフトでは、個
人が持っている意見が及ぼす影響が非常に弱いのです。そこで、オープンソー
スで似たようなものはないのかと探して出会ったのがグヌーテラでした。
グヌーテラとは?
グヌーテラを簡単に説明すると、パソコンの中で「これはみんなに見てもらい
たい」と思ったものをみんなと共有する仕組みです。グヌーテラは伝言ゲーム
です。グヌーテラで「さばの味噌煮の作り方」を検索するとき、本当は「ねぇ
、お隣さん、さばの味噌煮の作り方を見つけたら僕に教えてくれない?もし君
がそこにいたら、お隣さんにもきいてみて。そしてその人にもお隣さんに訊い
てくれるように言ってくれないかなぁ」と検索のルールを決めているのです。
これを繰り返すと、さばの味噌煮の作り方を探してくれる友達がいっぱいでき
ます。そして、最初に質問してきた人物を知ることはとても難しくなります。
これがグヌーテラの利点です。つまり、友達がいっぱいできること(ネットワ
ークの拡大)、最初の人は分からないこと(匿名性の確保)です。ナプスタ−
とグヌーテラの違いは、ナプスタ−はサーバーの力を借りて個人のコンピュー
ターを繋いで情報を共有するのに対して、グヌーテラは個人と個人を直接繋い
でしまう(Peer-to-Peer:P2P)ことです。インターネットは、くもの巣のよう
にネットワークを拡大しています。ですが良く見ると完全にくもの巣ではなく
、自転車の車輪のような構造だということがわかります。これは、車輪の中心
を壊してしまえばインターネットはもろくも壊れることを意味します。グヌー
テラは中心を作らずみんな平等にネットワークに繋がり本来の意味での強力な
くもの巣型インターネットを作ることができるのです。
私は、グヌーテラが個人の力を解放すると信じています。君のパソコンのなか
で必要ないと思っているものは、他の人にとってはとっても意味のあるものか
もしれません。きっとみんながインターネットで繋がって、繋がっている人が
多くなればなるほど、私たちが共有できる知識も広がっていきます。今はウェ
ブで一部それを実現していますが、今は情報発信を行うためにはサーバーに情
報を上げねばなりません。そして誰もがそれをできるわけではないのです。グ
ヌーテラは、みんなと共有したいファイルをいれておくフォルダを指定すれば
それで終わりです。ただ、グヌーテラは未成熟なものです。もっとみんなが使
いやすいものにするために、しなくてはならないことがあります。それをJnut
ellaでお手伝いしたいのです。
Jnutellaの役割
Jnutellaは、Japan Gnutella Communityの略称です。グヌーテラを使っても
っと人々が楽しくなれるように、様々なアイディアを出し、それを実際に具現
化したり、グヌーテラの将来像を語りあったりする場を提供しようというコン
セプトで作られました。同メーリングリストは5月31日に開始され、369
人(8月1日現在)のメンバーが加入してくださっています。平行して、メン
バーの数名のお力をお借りして、ウェブサイトを立ち上げました。これはグヌ
ーテラユーザのためのポータルサイトとして認識されつつあります。
http://www.jnutella.org
Jnutellaの考えるGnutellaの課題、可能性
グヌーテラが抱えている課題と可能性を最後に書きたいと思います。
●課題1.ファイルの中味の検索を実現
ファイルの名前で検索しているために、時間をかけてダウンロードしても自分
が欲しいファイルではなかったということが往々にしてあります。中味まで検
索できる機能は、グヌーテラをもっと使いやすいものにするはずです。
●課題2.セキュリティ
ウイルスを含む危険なファイルが多くその中に存在していることがあります。
こういった危険なファイルに対して、なんらかの識別ツールを提供する必要が
あります。
●課題3.常時接続・高速回線環境の整備
常時接続・高速回線環境がグヌーテラには必要です。日本でも同環境が実現さ
れれば、ナプスタ−をしのぐ勢いでユーザーの増加が見られるはずです。
●課題4.コミュニケーションの必要性
「ファイルをもらったよありがとう」とか「あんなファイルおいとくなよなー
」みたいなコミュニケーションの手段が必要になるでしょう。ICQみたいなイ
ンスタントメッセンジャーか、チャットソフトかなにかの機能をつけることで
それは解決できるかもしれない。人々お互いがお互いを良く知って感謝するっ
ていうことが、グヌーテラには必要なだと思っています。
可能性.携帯ビジネスへの応用
携帯の持つメモリ容量、端末の処理能力、ワイアレスの使える帯域幅という面
でグヌーテラを使用するというのは難しい部分が多々あります。ただ計画して
いるような、サーバーにアクセスしてファイルをダウンロードというよりは、
グヌーテラの仕組みを組み入れた方が、携帯での音楽マーケットというものが
飛躍的に広まると思っています。
2000/11/07
カワサキ
kawasaki@jnutella.org
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<manuka@nerdherd.net>
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