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jnudev > 各種技術ドキュメント
Bit Valley Magazine原稿

Bit Valley Magazineに寄稿しました。一応私の今の考えなどなど
2000/11/07
カワサキ kawasaki@jnutella.org


1. Bit Valley Network Vol. 42
■ 「Jnutella.orgとモバイルGnutella」 [by KAWASAKI Yuichi]
----------------------------------------------------------------------

ネットエイジの小川さんから、バトンをうけました.

実は、このビットバレーマガジンとの関わりは深く、第一回の発行か
ら原稿を寄せさせていただきまして、不定期で書かせて頂いたこともあります.
ただ、例の如く、私の筆不精で長続きはしないのですが:)いつも、ビットバ
レーマガジンを支えて下さっている御手洗さん、神田さん、松浦さんにはお世
話になっております.この場を借りて感謝したいと思います.

Bit Valley Magazine
http://bvm.uva.ne.jp/

第一回「ケータイでポケモン?」←お恥ずかしい…
http://bvm.uva.ne.jp/back_001.html

今回は、私とJnutella.orgの活動について、お話させて頂きたいと思います.
内容としては、次の5つで進めさせて頂きたいと思います.

■イントロダクション
■Jnutella.org以前
■Jnutella.orgって?
■モバイルとGnutella
■最後に

■イントロダクション
最近の私自身のトピックとしては、Jnutella.orgを通じたピア・ツー・ピア技
術への取り組みと布教活動が大きなものとしてあります.ピア・ツー・ピアと
は、サーバーを介さないネットワークの形です.Napsterから生まれたこの流
れは、モザイク以来のインターネットの大きな革命となるのか、それともPush
のように基盤技術としては使われるものの、表舞台からは早々に消えてしまう
のか、どちらなのかというと、私は後者であって欲しいものだと思っています.

なぜなら、ピア・ツー・ピアはビジネスではないと思っているからです.これ
の本質は技術であると.インターネットでも良く言われるように、それを使っ
ていることが分からなくなって初めて一人前なのです.水道やガス、電気等我
我が日常使っているものは、どうやってそれが作られ、加工され、我々の元に
来ているのかを理解して使っている人はそうそういません.インターネットは
徐々にそうなりつつありますが、ピア・ツー・ピアは、難しい問題を一部の人
が考えている段階で、一般の人たちは、まだそれを使っているということをし
っかりと認識して使わなくてはならないのです.自分たちが何気なく生活して
いる上で、ピア・ツー・ピアの上に生活が乗っかっていたという形が私の理想
であったりします.

■Jnutella.org以前
ピア・ツー・ピアの話に入る前に、私がJnutella.orgに何故ここまで入れこん
でいるのかということを、自分なりに分析してみました.私は大学を卒業し、
CiscoSystemsという世界1の通信機器メーカーに入りました.インターネット
を動かすために必要な、ルーター、スイッチなどを作っている会社です.

Cisco Systems
http://www.cisco.com

ただ、私はここで「今のインターネットはインターネットらしくない」ことに
気づきました.インターネットは本来、中心が無いものであるはずなのに、中
心がいたるところに存在するのです.インターネットには耐障害性は無く、い
くつかのポイントを破壊すれば、それはもろくも破壊される可能性があると.

まったくもって集権的ネットワークであって、気に入らないというが私が考え
たことでした.そこに、Npasterが現れ、そしてGnutellaが現れたのです.ピ
ア・ツー・ピアで個人がネットワークを構築する、自分たちが中心であり、だ
がネットワークには中心は無い.これこそが、私の勝手な「インターネット」
というものにすごく近いモデルなのではないかと思ったのです.つまり、イン
ターネットはみんなで作り上げるもの、みんなはインターネットの一部であっ
て、中心であるという考えです.

Napster
http://www.napster.com

Gnutella
http://gnutella.wego.com

また、私はEric Raymondが説く、オープンソースムーヴメントというものにも
非常に興味を持っていました.そこで、Linuxが成し遂げた(成し遂げている
途中)の、「コミュニティ」と「企業」との新しい関係作り、新しいビジネス
モデルというものができないものかというものにも同時に興味を持っていまし
た.私は科学には「再現性」が必要だと考えています.つまり、同じような条
件で、同じようなことが起こればそのことは正しく証明されるという奴です.
今のオープンソースの研究者たちには、この部分が抜けていると感じています.
なので、私は、Jnutella.orgという活動を通じて、これを成し遂げてみたいと
いうのも、実はあります.

Eric Raymondの三部作
http://www.post1.com/home/hiyori13/jindex.html

Napster、Gnutella、オープンソースという考え方が合わさってできたものが、
現在のJnutella.orgの根底に流れる考えであって、かのルイ・パスツールの名
言には恐れ入ります.

偶然は、準備のできていない人を助けない。
<ルイ・パスツール>

■Jnutella.orgって?
Jnutella.orgは、日本のGnutellaユーザーが、ここにくればなんでも手に入る
というようなポータルを目指して作られました.最近では、Gnutellaという枠
を飛びこえて、ピア・ツー・ピアでやったら楽しい、便利になることなどを提
案、実現しているところです.ウェブサイトでは、Gnutellaがどんな風に動い
ているのかを示した仕様書を翻訳したりや、本家アメリカでのコミュニティの
方向性について議論したり、Gnutellaのアプリケーションのダウンロードセン
ターを用意したり、メーリングリストを作成して、ピア・ツー・ピアについて
語ったり、情報を提供したりしています.メーリングリストのメンバーは現在
537名、ピア・ツー・ピアのメールマガジンは221名に達しています.
メーリングリストでは日々積極的に議論が戦わされておりますので、ご興味を
持たれた方は入られてみては如何でしょうか?

Jnutella.org
http://www.jnutella.org

■モバイルとGnutella
私は、個人的に大きな流れとしてくるだろうと思っていることがあります.そ
れは、モバイルとピア・ツー・ピアの概念の融合による、新しいネットワーク
の出現です.例えば、Napsterや、Gnutellaのような仕組みが携帯電話に載っ
たらなんとなく面白いだろうなぁと思います.「おまえのMP3と、俺のMP3交換
しよーぜ」みたいな.または、「っていうか、おまえのそのMP3の千昌男、な
んか人気ねーから、俺の浜崎あゆみと交換するには30曲分な!」みたいな.
これを実現するためには、ピア・ツー・ピア技術、Java2MEの技術、Bluetooth
の技術、様々なネットワークの技術等が必要になってくるでしょう.例えば、
近距離の無線の通信手段としてBluetoothを使って、通信を行い、ファイル交
換はピア・ツー・ピアの技術を用いて行うみたいなイメージです.

これを踏まえて、Jnutella.orgでは、第1フェーズとして9月にモグ・プロジ
ェクトを提案しました.これはMobile Gnutella Projectの略称:Mogで、上の
ようなことを実現するために技術者が必要となるスキル、提携すべき相手など
を示したものでした.とはいえ、何も無い状態からこれを考えるのも大変なの
で、第2フェーズとしてGnutella Tool Kit(GTKt)を11月1日にリリース
しました.これを使うことによって、ピア・ツー・ピアのアプリケーション開
発が容易になります.

GTKt0.1
http://www.jnutella.org/gtk/gtk01.zip

第3フェーズとして、来年の3月くらいまでには、Mogのためにカスタマイズ
された最小の構成を持つGTKt for Mogをリリースしたいなぁと思っています.
第4フェーズとして、Mogのアルファ版リリース、第5フェーズでMogを用いた
新しいワイアレスネットワークの構築みたいなロードマップを描いております.
ただ、4、5はいつになるやらという感じで、まだまだ構想段階を出ませんが:)

■最後に

みなさんのお考え等お聞かせ願えたらと思います.
私自身は未熟者ですが、是非私の考えに興味を持ってくださった方がおられま
したら、お気軽にご連絡頂ければと思います.色々と面白い仕掛けを考えてい
きましょう:)みなさんの楽しいインターネット生活をお祈りして.

KAWASAKI Yuichi
kawasaki@jnutella.org
http://www.jnutella.org

2000/11/07
カワサキ
kawasaki@jnutella.org

© 2000 Ian Hall-Beyer. All Rights Reserved.
<manuka@nerdherd.net>

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